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 2016.08.29 up

岡潔講演録(19)


岡潔 「1971年度京都産業大学講義録第5回」の解説

1971年6月8日

 

横山 賢二

はじめに

 前回は1970年の岡の資料としては1つだけ、「創造の視座」という大作をご紹介したのだが、今回からはその翌年の1971年の岡の「京都産業大学講義録」をやはり抜粋の形でご紹介していこうと思う。

 とはいうものの、今まで4年の長きにわたって1969年の「2つの心」の世界観や自然科学批判などをご紹介してきたのだから、私としてはもうそろそろ次の段階である1972年の、私の最も世に伝えたい第10識「真情の世界」のご紹介に早く移っていきたいのである。

 しかし、1つ1つを見れば非常に貴重な思想が残されている1971年を、そう簡単に跳ばすことなどとてもできないから、やはりはやる気持ちを抑えて年代順に1971年のものを、これから数回にわたって順次ご紹介していこうと思う。

 ただ、その第10識「真情の世界」の世界観は残念ながらまだほとんど世には公表されていないのであって、それを補うためにこの講演録の第1回「情と日本人」もそうであるが、横山講演録 (2) 大阪天満橋講演録の終りの部分に、岡潔講演集「おはなし」としてその世界観の概略を付け加えているので、先ずは是非それをご参考にして頂きたい。

 さて、ではなぜ私がこの京都産業大学講義録を今回から取り上げることにしたかというと、実は極く最近のことではあるが、この講義録の1973年の活字化が見事に完成し、71〜73年の3巻が長い年月と少数の方々のご尽力によってやっと日の目をみることになったのである。それで、私もこれを機に再度その解釈に挑戦してみたいと思い立ったからである。

目  次(下の項目をクリックしてお読み下さい)

【1】 人は1日1日をどう暮らす

【2】 芥川龍之介

【3】 自然科学の2つの結論

【4】 行動的と理性的

【5】 老子の自然学①

【6】 老子の自然学②

【7】 無明と真如

【8】 大宇宙の主宰性

【9】 西洋人の限界

【10】 ビールス病

【11】 福沢諭吉

【12】 彗星と遊星

【13】 夢と小説と幼児

【14】 妙観察智の自分

【15】 胡蘭成の失望

【16】 自我を離れる

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