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2016.2.21up

岡潔講演録(17)


「1969年の質疑応答」

【28】 天機漏らすべからず

(岡) 古神道はこれまで「天機、漏らすべからず」、誰も書こうとしてない。行なって見せてる。で、行ないから集めたら、書いてあるのといっしょだといってんでしょう。いえ、大体、天皇家だけがいうものとしてたらしい。だから明治天皇とかのお歌、それから今上陛下の御皇徳とか、あれが神道だと思う。大家族の家長です。

(※解説28)

 「天機」とは「天の秘密」と辞書にはあるが、岡によると日本人は「神ながらの道」を実践(意)することと、情緒(情)の世界に住むことが特徴であって、昔から文字に表現すること、つまり東洋や西洋のように哲学(知)することが苦手であるという。

 そのためか岡のように「日本の心」をこれほどまでに徹底して哲学した例は有史以来ないのであって、そういう意味では人類の自滅の危機が迫った20世紀になって、やっと1人の日本の数学者によって、その「天機」が地上にもたらされたといえるのではないだろうか。

 因に、「古神道」とは具体的に何であるか。それは縄文の心、つまり第10識「真情の世界」である。これを再認識することが、よくいわれる日本人としての「自覚」である。

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