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2015.08.13up

岡潔講演録(16)


嬰児(えいじ)に学ぶ」

【11】 日本文明を起こそう

 どうすりゃいいかというと、西洋文明の代りに日本文明を起こそう。西洋文明は言葉でいえる文明です。日本文明は言葉でいえない文明です。心の世界の文明です。言葉でいえない文明、無形の文明です。本当は日本は前から無形の文明があるんですよ。無形の文化が高い為に、中国から、インドから、西洋から、アメリカから、有形の文化を易々と取り入れたんです。

 今度は本当にそれを表に出して、無形の文化、無形の文明、日本文明を作らなければならない。そうなるに決まってるんですが、それはこの地球上においてそうなるのか、数万光年か、もっと隔たった他の星においてそうなるのか、それはわかりません。私は同じ地球においてそうしたいと思う。その為には取りあえず、燃え盛っているこの火を消して、人類を全滅から救わなきゃいけない。そのあと無形の日本文明を起こすべきです。善、中心でなきゃいけません。

 人が如何に生くべきかということですが、人の本当の自分は第2の心、即ち真心です。人がその真心を傾け尽くすに足る程の目標を捜しだして、これに真心を傾け尽くすということが真の生き方でしょう。その真心を傾け尽くすに足るものとして、この西洋文明はもうどうしても滅びる、その代りに日本文明を起こそうじゃないかといってる。

 同じくば、この地球において起こそうじゃないかといってる。歴史に残したいですよ。他の星へ起こしたら歴史に残らんのです。男子一生の快事にやっぱり書いてもらいたいですね。それだったら人類を滅亡から救う。

(※解説11)

 歴史が示すように他民族を征服する、大自然を征服するという発想を持ったのは第1の心の西洋文明だけであるが、前章ではその「西洋文明は()の時期に入ったのです」と岡はいうのである。しからば我々はこれから先、どうすれば良いかというのがこの岡の提言である。

 否、「提言」などという生優しいものではなく、声を枯しての岡の「絶叫」だといった方が良いのかも知れない。こんなことを40~50年も前に本気でいったのだから、流石にこれは「狂人」である。

 そしてまた、これが岡のいう「日本の使命」といっても良いのかも知れない。人類はまず西洋の第7識「物質文明」によってもたらされた今日の危機を、渾身の力をふりしぼって乗り切らなければならないのである。これを乗り切らなければ、人類に未来はない。

 その岡の人類への処方箋であるが、今までこの解説でご紹介してきたように、岡の晩年中期(1969〜72年)に集中的に残されているのである。だから私はここばかり取り上げて解説を書いているのである。日本民族がこの地球上に渡ってきて30万年、この歴史の一大転換点において、日本人が日本文明の特異性と重要性になんとか早く気づき、日本独自の文明を起こすことが人類の未来を決定することになると岡はいうのである。

 そのためにも、日本人の一人ひとりが「真心を傾け尽して生きようではないか‼︎」と岡は今でも叫びつづけているのである。

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